« 第4回ひの・まち再発見 | メイン | 日野市まちづくり条例 »

2006年05月22日

生ごみ堆肥で元気野菜(詳細)

  〜子ども達に伝えよう!「いのちの循環」〜
ひの・まちの生ごみを考える会 佐藤 美千代

第1部の吉田俊道氏の話から
なぜ“生ごみ”を使った有機の土は虫や病気に強い元気野菜を育てることができるのか?野菜も人間も原理は同じ。土のいのちが根を通して野菜に移ったように、人も食べ物のいのちが“お腹畑の根”(小腸の絨毛)を通して人に移るという理論を展開した。そして心身共にひ弱な子どもが多くなっている原因を、「食」に対する人々の意識の低下、徹底的な無菌主義、効率優先の近代農業のあり方と対比させた。
「生ごみリサイクル」は、「いのちの循環」。元気な体を作るには、微生物たっぷりの土からできた元気野菜を食べよう。元気野菜はちょっとしたコツさえあれば、生ごみを土に戻すだけで保育園児にでもできる。一度元気野菜のおいしさを体験すれば、だれでも自分で作りたくなる。生ごみが欲しくてたまらなくなる。生ごみを捨てるなんてもったいないのだ!

こうして文章にすると固い内容で面白くないと思われるかもしれないが、これが吉田マジックにかかると、綾小路きみまろの独演会を聞いているような笑いの中、目からウロコの感動が参加者の心に小さな変革を起こすのだ。参加者アンケートの結果を見ても、有意義な話で感動、元気をもらった、家でも野菜を作ってみたいという感想が多かった。

実際、佐世保市では「生ごみリサイクル元気野菜作り」の輪がどんどん広がり、小さな市民団体が学校を動かし、教育委員会を動かし、ついに佐世保市長の心までも動かして「食育の佐世保」としてこの活動を予算化した。耕作放棄地での有機野菜作り支援や小中学校の給食残渣を使った野菜作りを通し、農林部、環境部とも連携して「生ごみリサイクル農業」に本格的に取り組んでいるという。生ごみをゴミの減量だけでなく、別の視点から見つめることも大切ということを学ばせていただいた。
 
第2部 日野市内の生ごみ堆肥化
6人から、各々コンポスト使用のノウハウや、庭に直接埋める方法で長く続けるコツ、自治会でアンケートの実施を行いネットワーク作りをめざしている事例、地域の農循環をめざし52世帯の生ごみをNPOと市が協働して行っている事例などの紹介が行われた。

 アンケートでは、身近な具体例は参考になった、地域での取り組みに活かしたい、NPOの活動や堆肥化のしくみ作りを広げてほしいという声が多かったが、庭や畑を持たない集合住宅でもできる取り組み事例が紹介できなかったのは心残りである。

休憩時間のゴボウの皮付きと皮なしスープの飲み比べ
ほとんどの人が皮付きの方がこくと香りがあっておいしいとの評価。どちらも油で炒めて塩を少し落としただけのスープだったが、皮を捨てるのはもったいないという実感が参加者にも伝わったようだ。また、吉田氏が持参した元気野菜の人参は、香りと甘さに深みがあり、「こんなにおいしい人参は初めて!」と驚く人がほとんどだった。私も、人参の袋を開けたとたんにプーンと放つ甘い香りに、果物だと思ったほどだ。本当においしくて、このような体験は何よりも説得力があると感じた。明日にでも生ごみリサイクル元気野菜を作ってみたいという衝動に駆られる人が多いというのも頷ける。

 この講演会は、「ひの・まちの生ごみを考える会」が生ごみ堆肥化を目的として、「日野市ごみゼロ推進課」の委託を受けて開催した企画である。せっかくなら実行委員会形式にして長年生ごみ問題に取り組んでいる人たちとも連携したいと、「日野消費者運動連絡会」「NPO法人やまぼうし」「日野市教育委員会」をはじめ、地域で活動されている方達との協働で実現した。当会だけでは人員的に難しかった受付や販売、2色刷のチラシ作成、ゴボウスープの飲み比べ、生ごみ相談コーナーなども、これらの方々の協力があってのことだ。

 開催前に3回、終了後に1回、計4回の実行委員会を行い、参加者アンケート結果も分析して次回につながるように意見もまとめた。(今回の参加者は163名。アンケートの回答48名。回答率29.4%)生ごみ堆肥化を普及させるためには、しくみ作りを考えると共に、各地でバラバラに活動する仲間同士が顔を合わせて検討する場づくりも大切だと思っている。

「食育」にも関係することなので教育委員会に協力を依頼し、市内全小・中学校の生徒一人一人にもチラシを配布してもらった。できれば教育者に多く参加してもらい学校での取り組みに期待したのだが、参加者アンケートの結果を見ると、学校からのチラシを見て参加した人はゼロ。一番多かったのは、友人・知人の紹介が31%、学校以外でチラシを見て25%、広報ひのを見て13%、新聞などが12%と、やはり口コミの力が大きく、学校への配布は枚数の多さに比べてほとんど効果がないことがわかった。

 また、参加者の構成を見ると、廃棄物減量等推進員が26名、一般参加者が137名。今回は廃棄物減量推進員の研修会も兼ねていたが、思ったより一般の参加者が多いという結果は意外だった。アンケートによると推進員25%、日野市民29%、生ごみ団体メンバー24%、その他・無回答が22%。生ごみを可燃ゴミに出している参加者は30%にとどまっており、生ゴミを焼却したくない人が多かった。

 アンケートの自由記入欄では、日野市への提言として、農家やJAと協力した生ごみリサイクル元気野菜作り、剪定枝の回収方法の見直し、市内の落ち葉を集め、市民が自由に持ち帰るしくみ作り、食べ残しをしない食育の大切さ、良い活動への助成金の充実などの意見がみられた。

 全体を通して、実行委員・参加者共に大変有意義でよかったという意見が多かっただけに、収容人数300名のホールを埋めることができなかったのは残念だ。

 講演会終了後、さっそく吉田氏の話と人参の味に感動した近所のお母さん達7名と一緒に、小学校の生ごみをもらって生ごみリサイクル元気野菜作りを開始した。今から結果が楽しみである。

投稿者 Ryokucchi : 2006年05月22日 10:43

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://ryos.info/mt/mt-tb.cgi/146

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)